何で今頃？＜巨人裏金・不正スカウト・渡辺オーナー辞任問題

巨人のスカウトが今年秋のドラフト会議の有力選手である明治大学の一場靖弘投手に、「栄養費」という名目で約２００万円の現金を渡していたという問題。この件で渡辺恒雄オーナーが義的責任をとり辞任するに至ったそうですね。

この問題・事件でまず疑問なのが「何を今さら？」という点。スカウト活動を巡る不透明な金銭の授受はこれまでにも球界全体で「暗黙の了解」として行なわれていたはず。現に今回のケースでも『他球団の攻勢が強く、獲得交渉を有利にするため対策を講じたい』というのが動機。『他球団の攻勢』とは、やはり同様に金銭の授受なのでは？

今回の問題が明らかになった（というより、明らかにせざるを得なかった？）背景のひとつには、最近の「告発ブーム」が挙げられるのかもしれません。しかし、深読みすると、パリーグ球団合併・１リーグ制移行問題などに絡んで、あえて「爆弾」を落としたのかも……自ら裏金問題を暴露することで、球界全体での裏金の動きを抑え、よって選手の獲得費用の抑制＝球団運営費の軽減を図ろうという狙い？　現在の球界再編問題も、もともとは球団運営にお金がかかりすぎることに原因があったわけですから。

金に糸目をつけない強引な選手獲得法が常々批判されていた巨人軍が自ら裏金工作を公表したことに、大きな意義があるといえます。つまり、今後は他の球団でも同様の工作は行なえなくなるはず……て、他の球団でもやってるはずですよね、やはり（汗）