★ますたぁ日記(一語一会)

ますたぁ@BAYSIDE BREATHがつれづれなるままに書き綴る日記のページ。

故・奥大使の言葉を思い出すときでは?

イラク日本人人質事件。3人の解放が宣言されたものの、これを書いている今現在も消息がわからないようで、その安否が気遣われるところですが、さて。

この事件の解決策として「そもそも自衛隊を派遣したのが悪い。要求どおり自衛隊を撤退させるべき」という声があるようです。実際、署名活動も行われて、15万人分も集まったとか。しかし、大部分の日本人は撤退には反対なのでは?

なぜなら、今回の事件はテロだから。他人を犠牲にして自らの要求を達成しようとする行為は、その理由がなんであれ、決して肯定されることは許されないから。

自衛隊イラク派遣に対して異議を唱えることはかまわないのです。そうする自由が日本にはあるのだし。ただ、今回の場合、それがテロ行為の肯定につながるとは考えないのでしょうか? 今回の事件で万一テロリストたちの要求が実現すれば、ちがう要求のために、海外にいる別の日本人たちが危険にさらされる可能性が高まるかもしれないとは? 署名した15万人(といっても延べ人数っぽい?)の人たちは、そういう事態を考えたことがあるのでしょうか?

『犠牲になった尊い命から私たちが汲み取るべきは、テロとの闘いに屈しないと言う強い決意ではないでしょうか。テロは世界のどこでも起こりうるものです。テロリストの放逐は我々全員の課題なのです。』

これはイラクで11月29日(2003年)に殺害された奥克彦・在英大使館参事官の「イラク便り:テロとの闘いとは」の、最後の文章。事件当時はよく新聞などで引用された文章ですが、今まさにこの奥参事官の言葉の大切さを思い出すときでは?

http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/staff/iraq/20031113.html
http://www2.asahi.com/special/iraqrecovery/TKY200311300151.html