阪神・淡路大震災から12年

あるお笑い番組の一コーナーをたまたま目にして、複雑な気持ちになった。

それは食べ物を使ったコーナーだった。回転寿司のようなカウンターに、タレント達が座っている。そこへ、カニなど高級食材がのったお皿が流れてくる。それをひとりずつ順番に、自分の前を通っている間に食べるのである。失敗すれば、自分自身がイスごと回転させられるというバツゲームが待っている。

一見すると簡単そうである。しかし、食べるためには「箸」を使わないといけない。そのため、思ったよりも食材がつかめず、つかんだと思った瞬間に落としてしまったりという失敗をするのである。その慌てぶりや、バツゲームの様子を楽しめばいい、というのがこのコーナーの目的なのだろう。たしかに、普段なら楽しめる内容なのかもしれない。

しかし、今日は阪神・淡路大震災の日なのである。地震の後、食べ物で困った人たちのことが頭に浮かんでしまう。こんな日に食べ物を遊びにつかった番組を放送するのは、避けて欲しかったと思う。

震災から12年。あの記憶を風化させてはいけないとは、よくいわれること。朝や昼過ぎに放送している関西ローカルの番組では、さすがに震災特集が組まれていた。しかし、他の地方ではほとんど震災の話題がなかったのでは？　現実には風化が進みつつあると思った、12年目だった。

＃最後に。あくまで震災の正式名称は「阪神・淡路大震災」。「阪神大震災」というように「淡路」を省略している報道の多いことがほんとに残念。
▼正式名称は「阪神・淡路大震災」
http://d.hatena.ne.jp/baymaster/20050117